介護現場でICT(情報通信技術)を導入する事業所が増えています。紙媒体での情報共有ではなく、クラウド上で情報共有を行うことで経費削減などが叶います。また、ビッグデータの蓄積や系列事業所との連携も可能になります。さらに、利用者の見守りなどもICTで管理ができる部分があるため、夜勤の激務を緩和させることもできるでしょう。このほか、バックヤードにおいて勤怠管理や給与計算などもシステム上で可能となります。介護報酬の算定なども簡単にでき、月末の請求業務での煩雑化を目指せます。
また、ICTの導入は介護報酬にもメリットが見いだせます。科学的介護情報システム(LIFE)を利用することで、ケアプランの策定の煩雑さが半減できるとされています。LIFEへ情報提供を行う事業所については、LIFE加算(科学的介護推進体制加算)が可能です。介護ソフトを利用している事業者は、ソフトに入力するだけでLIFEへ再入力することなくデータ送信ができるといったメリットもあるため、残業緩和にも繋がります。
介護事業所がICT化することによって、適正な勤務時間や経費削減、事業所の収入増などが見込めます。また、利用者に対してエビデンスに基づく介護(科学的介護)を提供でき、利用者の介護度維持や介護予防はもちろん、介護士に負担をかけない介護も期待できます。地域医療介護総合確保基金の利用で、ICT導入支援補助を受け取れる都道府県単位で介護業界のデジタル化が推進されています。